No.142 (「第二次世界大戦@」)  : 

「独ソ不可侵条約成立の背景とは何か?」

英の宥和政策やそれに追従した仏により、ドイツは野放し状態になり、38年
には独人国家のオーストリアを併合、独人の多いズデーテン地方をチェコス
ロヴァキアから取得(ミュンヘン会談で英・仏が譲歩)、翌39年にはチェコ
スロヴァキアを解体してチェコを併合、スロヴァキアは保護国とした。ポー
ランド回廊を要求した際、英・仏が消極外交を捨てたため、独のヒトラーは
二正面作戦を避けるために、英・仏に不信感を抱いていたソ連のスターリン
と独ソ不可侵条約を結んで、対英・仏の土台を作った。

<評価の観点>
関心・意欲・態度:

反共産主義のヒトラーと、反ファシズムの人民戦線戦術のスターリンが提携
したことの不可解さに、大きな関心を持って学習に臨んでいる。

思考・判断:

ヒトラーとスターリンの提携の背景として、前者には二正面作戦を避けたい
思惑が、後者にはスペイン内戦やミュンヘン会談での英仏の対独融和政策に
対する不信感があることを、的確に判断している。

資料活用の技能・表現:
ミュンヘン会談の風刺画を見て、スターリンが、会談からソ連が除外される
ことにより、英仏に対して不信感を強めている様子を読み取っている。

知識・理解:
独ソ不可侵条約締結に際しての、ヒトラーとスターリンそれぞれの下心や、
英仏の両者に対する警戒心等について、基本的な知識を身につけている。